用もないのに駅へ行く
駅に行くときは、電車を利用するときだ。電車に乗るから駅に行く。
でも、電車に乗らないときに行ったらどうだろう。駅をおでかけ先として、まるで観光施設のように使ってしまうのだ。
駅の素敵なところ
イスがある
駅には必ずイスがある。ゆっくり座れる。座ると落ち着ける。
トイレがある
トイレがあるかどうかは、長居するには結構重要だ。用を足したいときに近くにトイレがないと、探すためにその場を離れないといけない。
たとえば、クリスマスのイルミネーションをじっくり見たくてイルミネーションの名所に出かけたとしよう。夜の寒さのため、急に用を足したくなり、トイレがあるところを探すことになったとする。コンビニエンスストアがまず思いつくことだろう。コンビニエンスストアまで移動し、無事用を足し、その後果たしてイルミネーションを見に戻る気になるだろうか。たまたま近くにトイレがある場合は戻るだろうが、遠く離れている場合はどうだろう。用を足し終わったら、イルミネーション鑑賞を切り上げてしまうのではないか。
自販機がある
ゆっくりするには飲み物がほしい。冬は暖かい缶コーヒー、夏は冷たい炭酸飲料。チビチビ飲みながら優雅に時間を過ごすのは楽しい。
駅には飲み物の自販機がある。飲みすぎてトイレに行きたくなっても、トイレがあるので心配なし。
駅の楽しみ方
さて、駅は長居するには最高のロケーションであることはわかってもらえただろうか。今度は駅で何を楽しむか紹介しよう。
人の往来を冷静に見る
普段は自分も人の往来の一部だから、他の人々を観察することは少ない。冷静に眺めていると色々なことがわかる。
駅の利用者の年齢、性別。身に着けているもの。テーマを決めて観察し続けると面白い。
例えば、みんなどんなマフラーを身に着けているのか。どんな年齢層がどのような色やデザインを付けているのか。それを自分がカッコいいと思えるか。自分で買うときに参考にすることができる。
ゆっくり食事をする
駅は、よほど小さいところでない限り何かしら食事をする場所がある。
電車の時間を気にせずにゆっくりと食事をし、ぜいたくな時間を過ごしてみる。気軽に入れる麺類の店から、郷土料理のお店がある駅もあり、財布の中身と相談しながら食事ができる。
公共WiFiが飛んでいることがある
主要駅には、無料の公共WiFiの電波が飛んでいることが多い。スマホやノートパソコンを持ち込んで、ゆっくりとネットサーフィンができる。椅子と飲み物は確保するのが簡単。あとはコンセントを確保するのが困難ではある。しかし最近はコンセント付きのカフェが駅の中に出展されるケースも増えてきた。いずれ電源問題は解消されていくだろう。
長く居座っても怪しくない
一番大事なことだ。待合席に座り自販機で購入した缶コーヒーを傍らに置き、ノートパソコンを広げ、たまに人間観察して数時間居座っても、全然怪しくない。めったに来ない電車に乗るための時間調整か、人を待っている姿にしか思われない。駅の日常の風景の中に完全に溶け込める。
自宅でパソコンで作業をして、効率が上がらず、気分を変えるためにコーヒーチェーン店にノートパソコンを持ち込んで作業している人たちがいると聞く。そこで、駅で作業をすれば、缶コーヒー代のみで、延々と作業が続けられるではないか。コーヒーの味にこだわりがあるとちょっと難しいかもしれないけどね。